夏本番のシーズンです!暑さがピークを迎え、少しでも涼しい服装を心掛けたいものです。ビジネスシーンの服装では、夏はシャツ1枚でファッションの主役になります。過ごしやすいのはいいけれど、着こなすコツやルールを押さえておかないと、相手に不快な印象を与えてしまう事があるため、気を遣いたいものです。以前は、レギュラーカラーがビジネスシャツの基本でしたが近年、主流の衿の形が変化しています。今回は、正しい着こなし方と、相手に好印象を与えるお薦めのシャツをご紹介します。
ボタンダウンは、老舗ブランド「ブルックス ブラザーズ」が生み出したアメリカントラッドの代表アイテムで、ボタンで衿を留めるのが特徴です。ポロの競技用シャツをヒントにつくられたルーツがあり、カジュアル寄りのシャツでノータイ着用に適しています。お薦めの着こなしは、オックスフォードシャツ(白シャツ)を、トップボタンを外して着用していただくと、清潔感があり爽やかな印象を与えてくれます。白シャツはシンプルなアイテムですので、袖や着丈の長さ、ポケットのデザイン、シルエットなどで個性を出されるといいと思います。
セミワイドカラーは、定番のレギュラーカラーよりも広く、ワイドカラーよりは狭い衿の開きが特徴です。タイドアップ時に首元がスッキリ締まり、ジャケットのVゾーンにも収まりがいいです。
逆にノータイでトップボタンを開けると、中途半端な印象に見えてしまいますのでご注意ください。さまざまなシーンで活用できるセミワイドタイプは、カラーや柄が豊富です。お薦めのカラーは、白・サックスブルー・パステルピンクが涼し気な印象で、男性らしい気品を漂わせてくれます。また、ストライプやヘリンボーン素材も人気となっています。
ワイドカラーは、120度前後から180度、衿の開きがあるものです。ほぼ水平に近い超広角なワイドは、ホリゾンタルカラーと呼ばれ、タイドアップ・ノータイ両方で着用可能ですので、クールビズのシーズンに最適です。このシーズンにブルー系統の色を選ばれると、スタイル全体のおさまりが良くなり季節感を楽しめます。中でもサックスブルーは、堅実、真面目といった信頼感のある印象を与える効果があり、夏の暑い日には爽やかで清潔感のある印象を与えられるのも嬉しい点です。また、ストライプやドット・チェック柄も人気となっています。
シャツ1枚になる事が多いこのシーズン。下に着るインナーでお悩みの方はいらっしゃいませんか?本来シャツは下着として扱われていたというルーツがあり、ファッションの教科書的には「下には何も着ない」が正解です。しかし、ジャケットを脱いだ時に肌が透けて見えるのはマナーとして相応しくありません。いったい何を選ぶのが正解なのでしょうか?答えは「ベージュのVネックのインナー」です。ベージュの肌着は1枚で見ると非常におじさん臭いですが、白よりも断然透けにくく薄い色味のシャツを着ても影響しない優秀なアイテムです。ノータイでトップボタンを開けた衿元から、丸首のTシャツがのぞいたり、肩まわりにタンクトップのシルエットが透けるのもスマートではありません。
暑さで服装が崩れやすくなる季節です。相手に清潔感を与える、夏の暑さに負けないファッションを手に入れてくださいね。
ファッションスタイリストでBerryBerryスタイリング代表。百貨店での大手アパレルショップ店長を20年以上経験し、スタイリング実績は5万人以上。2015年の起業後は、ファッションショーやモデル撮影のスタイリングを担当。個人客へのショッピング同行やワードローブ整理プランも人気。「自分に似合う服」をテーマに、洗練された印象に見せる提案を得意とする。
問い合わせは http://berryberry-styling.com/
[用語解説]タイドアップ:ネクタイを締めたスタイル オックスフォードシャツ:オックスフォードクロスという生地で作られたシャツ ヘリンボーン素材:杉綾(すぎあや)織、杉柄模様の事