会社の売上を左右する「営業職」はとても重要なボジションです。
「営業職」の採用活動に力を入れている企業も多いのではないでしょうか。一方で、「営業職」は、専門職とは異なり応募者の人数が多いのも特徴です。
そのため、面接での判断がより重要となりますが、
・面接では感じが良かったのに、入社以来鳴かず飛ばずの状態が続いている。
・苦労して入社してもらったのにすぐに辞めてしまった。
・一匹狼の独断専行で会社の雰囲気が悪くなった。
など採用担当者の頭を悩ます事態になってしまうこともしばしばあるようです。
営業職は即戦力として売上貢献が求められるため、もし会社に馴染めなかった場合は、会社に与える影響も大きいです。
ということで、今回は特に中途営業職採用のポイントをご紹介していきます。
優秀な営業と必要条件として、「数字を上げること」は最重要項目です。
一方で、組織の中で仲間と一緒に仕事をする以上、協調性を重視し、チームワークを大切しながら実績を積み上げられる人物が求められます。
特に、ネットやWEBサービスなど業務効率を進めるツールが発達した今は、「気合い」だけよりも、より合理的に動くための仕組みに順応できる人物が必要となってきます。
そのため、優秀な営業には、営業に求められる一般的的な志向(コミュニケーション能力が高い、前向き、打たれ強い、自発的に動ける)に加えて、ロジカルに考えられる行動も求められます。
即戦力になる営業職が入社してくれると、会社としてはとても助かります。
ですが、同業種から優秀な営業が、転職することを期待しても、応募がほとんどないのも実情です。
そのため、営業職経験者の中途採用で多いのは異業種からの転職になります。では、業界の常識が通じない場所からやってくる応募者本質を面接で見抜くにはどうすればいいでしょうか。
職務経歴書の営業実績を確認する。
インターネットで「営業 職務経歴書」と検索すると、ほとんどのサイトで前職での実績(目標・実績・達成率・社内順位など)を書くようによく勧められています。まずはその数字を確認した上で、その数値実績が業界全体ではどの程度なのか、など調べておきましょう。
業界が変われば、受注額が極めて大きく数件の受注だけでも、大きな実績になる場合もあります。
自社の業界標準で実績を見て判断し、即戦力人材を見落としてしまわぬようにしましょう。
協調性があり、ポジティブ、真面目な営業の見分け方
こういった人材は営業として戦力になってくれる可能性が高い人材です。
そこで「協調性がある」、「ポジティブ」、「真面目」な性格の人材の見極め方の一例をご紹介します。
数字以外の営業の資質を量るために「成功談」、「失敗談」をそれぞれ質問しましょう。「成功談」の場合、ただの自慢話になる営業も少なくありません。それも間違いではないのですが、「上司や部下、同僚と協力して目標を達成した」、「プロジェクトのリーダーでチームの音頭を取った」などの具体的で周囲と協力したエピソードなどがあると、自社が求める人材なのかどうか、見極めることができます。成功談と同じように失敗談も重要で、その時の口調や態度、エピソードの内容で課題解決能力やポジティブシンキングの持ち主か否かなど知ることができます。
少し突っ込んだ質問をしてみよう
面接では採用側は柔らかな質問に徹するのではなく、応募者に少しツッコんで質問してみましょう。
例えば、「協調性が大事である」という応募者には、「数値主義のワンマンタイプも成果を出すので、協調性が必ずしも重要ではないとも考えられますが、どう思いますか?」という反対意見を出してみるなどして、応募者の意見に敢えて反対して、反応を確かめましょう。
もし不機嫌な態度を出してしまったりしたら不安要素になります。実際の営業では理不尽な要求をされたり、提案を突っぱねられることは日常茶飯事。やわらかくかわしたり、落としどころを見つけられたら、営業としての資質は備わっていると判断しても良いでしょう。
レスポンスの早さは営業力の証
面接だけが営業の資質を見極める場ではありません。例えば、日程調整や面接後のお礼メールの早さ、丁寧さは仕事の早さ、丁寧さにそのままつながる大切な心構えですし、面接会場外での所作(挨拶、姿勢)も本人の素を量る材料になります。
営業職志望として、営業としての心構えがメールや挨拶からも感じられるかを確認しましょう。
中途市場で営業経験者が重宝される一方、昔から営業職は他業種に比べると未経験でも採用されやすい傾向があります。特に最近は人材不足が深刻化し、経験者が来るのを待っていられない企業が未経験者を営業職で採用するケースも増えております。
それではこれまで営業経験のない人のどこを見分ければ、戦力になるか見極めることができるのでしょうか。
営業未経験者はダイヤモンドの原石!?
実績がイマイチの営業経験者の場合、誤った営業方法やコミュニケーションの取り方をしている可能性が高く、困ったことに経験が長ければ長いほど、営業方法の矯正は難しくなります。
逆に営業未経験者は自分で希望して営業職に転職することが多く、熱心に勉強して営業スキルをどんどん磨いてくれる可能性も高いです。
将来、自社のエースになってくれるかもしれないダイヤモンドの原石を採用できるかは担当者次第。チャンスを逃さないようしっかりと有望か否かを見極めましょう。
未経験でも絞り込む
前職は不問だからといって、システムエンジニアや保育士、記者など際限なく受け入れていては、営業に適した人を見極めにくくなってしまします。履歴書を参考にして、自社に関連する業種や前職の会社での立ち位置などを踏まえ、ある程度の選考基準を定めましょう。例えば自社が食品卸の商社だったら「飲食物を取り扱うの小売店のマネージャークラス」の人物の応募があれば、ぜひ会ってみるべきです。逆にまったく業務に関係ないシステムエンジニアなどは選考から外す必要があるでしょう。
面接ではエピソード重視に
応募者をある程度絞り込んだ後は、エピソード重視の面接をしましょう。「成功談」、「失敗談」は流用しても構いません。応募者の関わったプロジェクトの過程、結果、応募者の立ち位置などを詳しく堀り出すことで自社の求める人材がどうか確認しましょう。
適正検査で見極める
面接、書類選考以外でも営業職向きの人材の見極めに活躍するのが「適正検査」です。既に採用している企業も多いですが、応募者の考えを定量化できるため、判断に悩む場合は、適性検査を実施してみるのも良いかもしれません。
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営業職の採用は難しいですが、戦力なってくれれば、中小企業であれば採用前から業績を大きく伸ばすことも夢ではありません。経験者、未経験者ともに、まずは自社が求めている営業職の人材を明確にして、関係者と共有しましょう。そしてその基準に沿って書類審査をして、面接では数字以外のことも質問。特に「成功談」、「失敗談」を掘り下げて聞いてみましょう。その時に自分以外と協力して、目的を達成するなどのエピソードを明るく応えられたら、営業としての適性があるかもしれません。適性検査の導入も検討しつつ、ぜひ会社を背負って立つ人材を採用、育成してください。