中途採用の選考期間は短く、その中で即戦力となる優秀な社員かどうかを見極めていく必要があります。そのため、限られた条件の中で、いかに個性や特徴を見抜き、戦力となる人材を集められるかが、面接官の腕の見せ所となるでしょう。
今回は、応募者の能力を見極めるためのノウハウをお伝えします。「面接の受け答えは素晴らしいけど、働き始めるとなかなかね…」、「採用してもすぐ辞めてしまって大変…」――。そんな方に少しでも役に立つ情報をお届けできればと思います。
まずは全ての基本となる人となりについてから。指定された時間通りに来社するか、やむを得ず遅れたときは事前連絡があったか、面接に相応しい服装になっているか、など、社会人としての基本が徹底されているかをチェックしてください。当たり前過ぎると思われるかもしれませんが、意外とできていない方が多いのも実情です。特に対人関係がカギとなる営業や販売に関しては、「見た目が9割」といっても過言ではないだけに、部屋に入ってきた瞬間を含めて、第一印象に好感をもてるかは、重要な基準となります。
「応募者がなぜ自社を選んだのか」を問う志望動機は、大切な判断要素となります。本当に自社に入社したいのか、それとも保険として受けているだけなのかを見極めることは、離職率を下げることにも結びつきます。「ライバル企業との違い」、「自社のサービスの優位性を把握しているか」、「自社のサービスで改善できる箇所」など、応募者の思考や意識が現れやすい質問をしてみて、その度合を計りましょう。また、前職を辞めた理由に関しても、しっかりとした理由付けがあるかをチェックしてください。「人間関係が上手く行かなくて辞めました」という方よりも、「ワンランク上の技術や知識を吸収したいと思って退社しました」など、前向きな理由を持っている方の方が会社の利益になるはずです。
志望動機と退職理由は、表裏一体なので、それぞれの点が繋がっているかは大切なポイントです。「辞める背景に何があり?志望する背景は何なのか?」を選考において把握することが面接官には求められます。
質問に対して、一言で終わってしまう方や抽象的な答えが多い方は、見極めが必要です。特に営業職において、会話の広がりをつくれない方は、お客さまに対しても同じ対応をしてしまい、大切な商談のチャンスを棒に振ってしまう可能性も高いかもしれません。また、事務職などのサポート職であっても、社内で円滑にコミュニケーションができない可能性があります。応募者は、「事業改善に取り組み○○%の生産性向上を実現、○○万円のコスト削減を実現しました」といった数字などを伴った具体的な内容を伴った受け答えができるかを確認しましょう。
面接する価値があるかを判断するために欠かせないのが履歴書や職務経歴書です。職務経歴書はフォーマットが決まっていない分、そこで何を伝えようとしているかが、重要な判断材料となります。熱意はあふれているが根拠がない、または難しい専門用語や横文字ばかりを羅列している職務経歴書がよくありますが、最も大切なのは「面接官の視点に立っているか」ということです。
また、応募者は、これまでの職務、実績、自己PRなどに意識がいき、細かな部分を疎かにする場合もあります。誤字・脱字が無いか、住所等が省略されていないか、以前勤めていた企業名が間違っていないかなどを確認してみましょう。面接においても同様で、目立つ箇所につい注目しがちですが、応募者の性格を見極める上では、細かな部分を確認することが意外と重要です。
職務経歴書は、企業が応募者の経歴を知る最初の接点となる場合が多いため、「何だか凄そう」な職務経歴書が出来上がりやすいのも事実です。職務経歴書に書かれたことを鵜呑みにせず、疑問を抜き出して面接する場合の質問として、明確にしておきましょう。
選考から内定を出した時点で採用活動自体は終了となりますが、採用した方が、会社で活躍してこそはじめて採用が成功したといえます。応募者した方が、面接では優秀と感じても、会社ですぐに即戦力となれるとは限りません。今の会社の風土で、応募者の能力は発揮できるかを選考過程でしっかりと見極めましょう。
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