昨今、学生の売り手市場と言われている新卒採用は、企業同士での採用競争が一層激しくなっています。そのため、ただ漠然と採用活動を行っていては、時間やお金を消費するだけで、成果がなかなか上げられなくなっています。少ないリソースで、ひとりでも多くの学生に興味をもってもらい、理想的な人材確保を実現するにはとにかく「準備」が大切です。
他社に押し負けないためにもしっかりと計画を組み、次代を担う優秀な人材を採用していきましょう。
「新入社員を受け入れる体制は整っているか」、「受け入れるだけの基盤や財務体質が揃っているか」など、会社の現状と照らし合わせて、確認しましょう。
真っさらな状態の若者を入社させることは、当然ながら採用決定までだけでなく、採用後も戦力化するまではお金や労力を注ぐことになります。「新卒をなぜ採用したいのか」「新卒採用によって何をもたらしたいのか」など目的やメリットが、あまり見いだせないようであれば、無理に新卒採用を行う必要はありません。
「新卒採用で会社基盤の若返りを促進していきたい」、「新卒のフレッシュな風を会社に吹き込みたい」など、新卒採用で目指していることが何のか今一度考えてみましょう。
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具体的な要件を設けず、「ヤル気があってコミュニケーション能力がある方」などといった抽象的な募集要項を設けられているケースがありますが、それでは新卒採用を活かせているとはいえません。誰にでも該当しそうな要件では、学生に対して「あなたを採用したい!」という会社の思いやメッセージが伝わりにくく、相思相愛の採用が行えないものです。
そうならないために、例えば、電気メーカーであれば、「機械工学の知識の飲み込みが早く、手を動かせる人材」、金融機関であれば、「金融知識が素早く吸収でき、真面目な人材」など、求める人物像や【資質】をなるべく具体化しておきましょう。
その上で、求める【資質】の学生を採用するためには、どんな【志向】をもった学生をターゲットにすれば良いかを分解していきます。例えば、電気メーカーなら、「機械工学の知識を吸収できる人材 ⇒ 論理的志向を持ち、理系出身が望ましい」、金融機関なら、「金融知識が素早く吸収でき、真面目な人材 ⇒ 経営学部や商学部出身で、部活に直向きに取り組んでいた学生」など、【資質】から【志向】へと逆算していきます。
ターゲットが明確になれば、たくさんの学生に会っても悩んだり、迷ったりする時間が減ります。「あなたを採用したい!」というターゲットを定めておくことが、求める人材を確実に獲得するための最短方法なのです。
新卒採用は数ヶ月~1年以上を擁するロングレースなので、選考フローを確立しておくことも重要です。応募受付から複数回の面接、内定、そして入社に至るまでの流れが滞りなく進むように、予め全体スケジュールの共有やマニュアルの策定などを行い、がっちりとしたスクラムを組んでおきましょう。採用の流れを全メンバーに定期的に報告しておけば、応募者からの問い合わせにも迅速に対応してもらえます。
また、中小企業では、採用担当者が、担当する主業務と採用業務を並行することも珍しくありません。採用担当者への事前確認や承諾はもちろん、採用活動が主業務に与える影響なども考慮しておくと安心です。
社員が母校やゼミに赴いて会社のPRをしておくことも効果的な方法です。自社の採用担当社員を派遣して会社の魅力や将来性について語ったり、学生の悩みや相談に乗ったりすることで親近感が生まれれば、他社より一歩前からスタートすることができるかもしれません。
社員一人ひとりのネットワークやSNS(FacebookやTwitter)を使ってアプローチするなど、広報戦略はさまざまなので、既成概念にとわられず柔軟な戦略を立てることも大切です。一般的に新卒採用を行えば「数百万円単位」の費用がかかります。お金を大きくかけられない企業こそ、エントリー開始までに知名度を上げるためのPR活動を一つひとつ積み重ねていくことが、採用成功に直結する道です。
新卒採用を成功させるには、会社自体の事業戦略も考慮したうえでストーリーを描かなければなりません。採用とは組織の人事戦略パートに組み込まれたものなので、長期的な育成ビジョンが不可欠です。
研修カリキュラムの立案や配属先の選定、人事考課、報酬、そして組織に与える代謝効果など、複合的な部分を考えながら、そこに一貫性を兼ね備えることが大切です。「採用には注力するが、育成はそれぞれの部署にお任せ」というような企業は一貫性に欠けており、長期的なスパンでは人材が育ちにくいものです。
せっかく採用できたダイヤの原石を磨き、いかに飛躍させていくかという“設計図”を描くことが本当の意味での新卒採用です。
いざ採用活動が始まったら、怒濤のように時間は流れていきます。慌てず、焦らず、じっくり吟味するには、何よりも段取りが大切なため、入念な準備や各所との調整、採用人数の明確化などをしっかり行っていきましょう。
インターン制度の一般化など、時代と共に学生たちを求める方法は変化しています。しかし、根幹となる核の部分は、変わることがないので、「備えあれば憂いなし」という言葉を胸にあらためて頑張ってまいりましょう。
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